• 2025年1月7日
  • 2025年1月8日

連休明けの「仕事に行きたくない」

 渋谷神泉こころのクリニックです。

 多くの企業や官公庁で仕事始めとなった2025年1月6日(月)、本人に代わって勤務先に退職意思を伝える退職代行サービスの依頼が急増したそうです。転職・退職支援会社「アルバトロス」(東京都港区)が管理する「退職代行モームリ」の都内の事務所での依頼件数は、これまで177件/日(2024年7月1日)が最多だったところ、6日には17時時点で250件超となったとのことです。また、依頼者の約7割が20~30歳台の方だったようです。

 今回の年末年始は、多くの企業で9連休と例年よりも長かったため、考える時間が増えたり、体調が変化したりしたことで、退職が選択肢として浮上しやすくなったのかもしれません。そもそも、こうした方々の背景には、業務に関する過剰な負荷があったものと推察されます。

 当然ながら、慢性的なストレス反応は心身に良くありません。ストレス反応の一つに、アドレナリンやコルチゾールの分泌があります。これらの分泌過多が長期になると、脳の一部(前頭葉や海馬など)が萎縮することが知られています。つまり、心理社会的な負荷は、ストレスホルモンの分泌などを介して、身体的、器質的な損傷を引き起こすということです。

 こうしたことから、出勤に心理的抵抗が強い場合は、職場から距離を置くことも必要です。とはいえ、誰しも生きていく上では経済的な問題も避けては通れません。当面の生活費が不足していたり、転職先が未定だったりする場合には、衝動的に退職するよりも、一度、休職を挟む方が良いかもしれません。心身の状態の評価や社会資源の活用に関しては、医療機関での御相談も有用だと思います。

 よろしければ、当院にもお気軽に御相談ください。

 それでは、また!

(※)同様のお悩みに対するYahoo!知恵袋の回答を眺めていたところ、(9連休明けの出勤に対して)「幸い、個人輸入でのアモキサンジェネリックが届きましたので、ひとまずそれを服用して、騙し騙しやっていくつもりです。」という内容がありました。アモキサピンという抗うつ薬のことですが、副作用として口渇、便秘、パーキンソン病症状(震えや強張りなど)があり、その他、躁うつ病が潜在されている方などで逆に情動が不安定になることもありますので、服用の際には御注意ください。

渋谷神泉こころのクリニック
精神科・心療内科
03-6427-0555 ホームページ