• 2024年4月11日

ステロイドホルモンとは~ドーピングになるの?~

 渋谷神泉こころのクリニックです。

 今回は、ホルモンの分類などについて簡単に説明したいと思います。

 一応、タイトルへの回答を先にまとめますと、ステロイドホルモンとはホルモンの中でステロイド骨格をもつ物質の総称であり、一般的な競技では、ステロイドホルモンのうちの男性ホルモンやその類似物質がドーピングとされます。

 さて、ホルモンは、その化学構造からステロイドホルモン、アミン型ホルモン、ペプチドホルモンなどに大別されます。

 女性ホルモンや男性ホルモンを含め、ステロイド骨格という共通の構造をもつホルモンを、ステロイドホルモンと総称します。

 ちなみに、ステロイドホルモンの他に、コレステロール、ビタミンD、胆汁酸などもステロイド骨格をもつ物質で、そもそもステロイドホルモンの原材料がコレステロールです。

 ステロイドホルモンには、主に糖質コルチコイド(コルチゾールなど)、鉱質コルチコイド(アルドステロンなど)、男性ホルモン(テストステロンなど)、女性ホルモン(エストラジオールなど)があります。

 これらはすべてステロイド骨格をもつため、化学構造は似ているものの、その機能はさまざまです。

 医療業界でステロイドと言った場合、コルチゾールなどの糖質コルチコイドを指すことが多い一方、スポーツ業界では男性ホルモンを指すことがほとんどです。

 気管支喘息、膠原病、アトピー性皮膚炎などで使用されるステロイドは糖質コルチコイドであり、筋力増強作用はありません。一方で、ドーピング検査などで問題にされるステロイドは男性ホルモンやその類似物質であり、筋力増強作用があります。

 男性の更年期では、後者の男性ホルモンが低下するため、重篤な場合はこれを補充することがあります。最近では、自費診療で男性ホルモンを投与してくれるクリニックもあるようですね(アスリートへの投与は、ドーピング検査で陽性になり得るため、注意が必要です!)。

 ちなみに、タイトルの画像は牛の第3胃袋、センマイと称される部位です。低カロリーで、鉄分、コラーゲン、ビタミンB12など美容効果のある栄養素が多く含まれているそうです。

 それでは、また! 

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