- 2024年7月4日
睡眠不足に対する自律神経の反応について
渋谷神泉こころのクリニックです。
睡眠不足になると、いろいろな反応が出るものです。以前にもお示しした下図は、長時間労働で睡眠時間が削られた際に生じる影響をまとめたものです。睡眠が不足した状態でも、無理に起きていようとすると、自律神経の働きが交感神経優位になります。
自律神経は、交感神経系と副交感神経系の二つに大別され、下図のような神経伝達物質で臓器の働きを調節しています。
また、各臓器の受容体や作用は下図のとおりです。
細かいことを覚える必要は全くないのですが、交感神経系が優位になると、心拍数が増え、皮膚表面の血管は収縮し、骨格筋の細胞レベルでの微細な収縮と弛緩のリズムがそろってきます。睡眠時間が6時間以下になると、なんとなく思考が空回りする、集中できないなどの他に、動悸、表面が冷える感じ、手の震えなどを自覚される方も多いと思います。これらは、薬物治療で症状を軽減できる可能性もありますが、それ以上にまずはしっかりと睡眠をとることが大切です。睡眠の量的な不足を、質の改善で補うことは困難ですので、まずは睡眠時間を確保できるような生活パターンになるように心がけることをお勧めします。
ちなみに、成人ですと、理想的な睡眠時間は8時間程度になります。
どうしてもまとまった睡眠時間を確保できない方は、短時間の昼寝を挟んでも良いでしょう。
それでは、また!