• 2024年7月5日

泥酔に伴う危険について

 渋谷神泉こころのクリニックです。

 本日の産経新聞には、「路上飲酒させない 怒れる渋谷」という見出しで、渋谷に横行する路上飲酒やそれに伴う迷惑行為などの諸問題に関する記事がありました。

 同記事では、爆音での音楽とともにクラブ化する路地、車両通行を妨げる群衆などの様子などが、「狂乱の夜」として描写されています。

 当院では診療時間帯を早朝優先にしておりますので、夜の渋谷の様子を目にすることはほとんどありません。しかし、「宴のあと」たる早朝の道玄坂は日常的に目にしており、そこには毎朝のように一人は路上に倒れている方がいらっしゃいます。泥酔した状態で寝てしまったのでしょうが、パッと思いつくだけでも、以下の四点が心配になってしまいます。

 第一に、アルコールの利尿作用による脱水の影響です。これにより、血液が濃縮され、特に中高年以上になると尿管結石や脳梗塞を併発する危険があります。

 第二に、泥酔による数時間程度の路上での臥褥による影響です。これによる局部への長時間の圧迫や循環障害により、挫滅症候群や血栓症などを併発する危険があります。

 第三に、季節による体温調整への影響です。夏季は熱中症、冬季は低体温症を併発する危険があり、私の学生時代にはこれによる死亡事故がかなり問題視されており、大学の構内には「飲まザル」というキャラクターによる飲酒強要の禁止ポスターが貼られていた記憶があります。

過去のイッキ飲み・アルハラ防止キャンペーン内容|特定非営利活動法人ASK

 第四に、泥酔して倒れるまでアルコールを手放せない、あるいは、繁華街の狂騒から離れられない心理です。一度きりならともかく、毎回倒れるまで飲んでしまう場合や、連日のように寂しくなって繁華街に繰り出してしまうような場合は、依存症を併発しているかもしれません。

 とりあえず、当面は猛暑が続くと思いますので、すぐにお酒を手放せない方は、脱水にならないように水分やミネラルもこまめに補給していただければと思います。

 何かお困りのことがあれば、当院にも是非お気軽に御相談ください。

 それでは、また!

渋谷神泉こころのクリニック
精神科・心療内科
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