• 2024年7月24日

ゴッホ展の開催について

 渋谷神泉こころのクリニックです。

 本日、令和6年7月24日(水)の産経新聞によりますと、令和7年9月から神戸市立博物館を皮切りに、福島県や東京都で順次ゴッホ展が開催されるとのことです。紙面では、1面で「夜のカフェテラス(フォルム広場)」、26面で「自画像」と「アルルの跳ね橋(ラングロワ橋)」が紹介されていました。

 ゴッホは、ドラクロワの色彩理論を発展させ、色彩の配置で画面を輝かせる技法をものにしたと言われており、特に黄と青の対比による光の演出は圧巻です。まあ、実物を見たことはありませんが……(;^_^A

 ゴッホは、統合失調症、双極性障害、梅毒、書痙、ゲシュヴィント症候群、側頭葉てんかんなどを患っていた可能性があるとされ、精神科でも時折話題になる画家です。このような背景を知った上で作品を眺めると、ゴッホの風景画の一部から受ける優しげな印象に胸を打たれます。

 印刷の関係上、おそらく実物よりも彩度が高まっている気もしますが、紙面の「アルルの跳ね橋(ラングロワ橋)」から、目を細めるほどの眩しさを感じました(以下の画像は彩度を高めて、紙面の印象に近づけたものです。)。橋梁の支柱などの骨格側面などに塗られたかなり薄い黄色が、川面と空の青と対比され、眩しさだけでなく暑さも伝わってくるようです。

 反面、「夜のカフェテラス(フォルム広場)」では、濃い黄色と青との対比で優しい光が表現されており、春の暖かい夜気すら漂ってくるようです。

 ゴッホを象徴する「黄色」ですが、その濃淡と他色との組合せを調整することで、さまざまなことを表現できます。これは、パーソナリティに関しても同様で、各々の特性は、その強弱を調整しながら、他者とつながることで、思わぬ場面で開花する可能性を秘めています。ある特性を消すのではなく、活かし方を考えるという点は、森田療法にも通じるものがありますね。

 なお、ゴッホや美術について理解を深めたい方には、西岡文彦氏の著書が良い入門書になると思います。

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 それでは、また!

 

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