- 2024年4月10日
- 2024年4月11日
ホルモンとは何か~焼肉のホルモンとは違うの?~
渋谷神泉こころのクリニックです。
更年期障害について、女性ホルモンや男性ホルモンの減少が原因であるということを述べました。そもそも「ホルモンって何だ?」という方もいらっしゃると思いますので、今回はホルモンについて簡単に説明したいと思います。
ホルモンとは、一言で言いますと「細胞間の情報伝達物質の一種」です。
情報伝達物質は、その「射程距離」から、サイトカインとホルモンに大別されます。
産生された部分周辺で効果を発揮する「近距離型」の伝達物質がサイトカインです。一方、内分泌腺から分泌され、血行を介して運ばれ、全身あるいは特定の臓器組織(標的器官)に作用する「遠距離型」の伝達物質がホルモンです。
サイトカインは、①自己分泌や②傍分泌という伝達様式をとり、ホルモンは③内分泌という伝達様式をとるということになります。
要するに、ホルモンとは、全身や離れた臓器に情報を伝え、そのはたらきを調整する物質の総称です。
ところで、医療従事者でない方ですと、「ホルモン」と聞いて真っ先に思い浮かべるものは焼肉ではないでしょうか。
焼肉での「ホルモン」は、動物の内臓(特に消化管)のことです。「焼肉の文化史」(佐々木道雄著、明石書房、2004年7月)によりますと、動物の内臓は「内分泌(ホルモンの分泌)を活性化させる食材」という意味から「ホルモン」と称されるようになったそうです。
「屠畜場で破棄される部位」→「放るもん」→「ホルモン」ということではないようですね。
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ちなみに、タイトルの画像は牛の第2胃袋、ハチノスと称される部位です。タンパク質やコラーゲン、ビタミンB12、亜鉛など美容効果のある栄養素が多く含まれているそうです。
次回も、ホルモンについての解説を進めていきたいと思います。
それでは、また!