• 2024年8月26日

看護師不足の現状に関する雑感

 渋谷神泉こころのクリニックです。

 本日、2024年8月26日の朝日新聞で、看護師不足の現状に警鐘を鳴らす記事がありました。

 医療従事者の不足は以前から問題視されており、2008年8月に厚生労働省が発表した「コメディカルの不足 」にも分かりやすくまとめられています。

 元々、病院にお勤めの看護師の場合、夜勤を含めた交代制勤務が通常の勤務形態で、生活はどうしても不規則になります。医師の場合は、通常の勤務形態が日勤で、時々当直などの夜勤が加わるということが多いですから、規則的な生活を維持できなくはありません。また、夜勤の際には上述の「コメディカルの不足」で下図のようにまとめられているとおり、夜間の電話対応や急遽の処方に対する調剤業務など、他業種の業務も求められることが少なくありません。

 私も総合病院での救急当直では、救急隊からの受入要請の電話に看護師と交代で対応しておりましたし、精神科病院での当直では薬剤部での調剤も日常的でした。そもそも調剤に関しては、向精神薬をや劇薬を扱うこともありますので、常に看護師と複数名で担当しなければなりません。
(※)たまに薬剤部に単独で入室し、依存性の強い薬物などを持ち出す医師もいるようです。この場合、後日に在庫が合わないことから監視カメラの画像を確認されて発覚することになります。

 少し話が脱線しましたが、日常生活の規則性というのは思った以上に重要です。毎日の生活リズムがバラバラですと、いつまでたっても身体的な順応が得られず、徐々に心身の疲労が溜まっていきます。医療従事者の他、交番の警察官、消防隊員、救急隊員などもこのような勤務体制ですので、心身への負担が強い職種であることは言うまでもありません。そのためか、看護師に関しては、私の身辺でも、最近は「夜専」なる夜勤専従という働き方を選択される方が徐々に増えてきています。この場合、夜勤1回が通常の日勤2日分の扱いになり、月に8~9回の夜勤で常勤扱いになるようです。同じ夜勤でも、毎回のことであれば比較的順応しやすく、さまざまな予定も組みやすいということでしょう。

 夜勤専従や非常勤でのパートを希望する医療従事者も、看護師や医師の間では増えてきている印象です。もしかしたら、今後、働き方もこのように分極化していくのかもしれません。

 何はともあれ、心身の健康を害してしまっては良くありませんので、働き方についてもその人にとってのサスティナビリティの視点が重要ですね。

 それでは、また!

渋谷神泉こころのクリニック
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