- 2024年7月10日
- 2024年7月11日
熱中症について①
渋谷神泉こころのクリニックです。
昨日(令和6年7月9日)、東京都監察医務院によりますと、7月6日(土)に3名、8日(月)に3名と計6名が熱中症でお亡くなりになったということです。
猛暑の続くこの時期、どのような方も熱中症になる可能性があります。
熱中症とは、高温環境下での長時間暴露とともに、体内の水分・塩分の減少や、血流の低下などによって生じるさまざまな障害の総称です。重度の熱中症では、高次脳機能障害や小脳失調などの、脳の後遺症を生じる可能性もあります。高温環境下での長時間暴露によって生じた体調不良は、すべて熱中症の可能性がありますので、適切な対策をとることが重要です。
熱中症の分類には、労作性か非労作性かの大別方法と、症状や所見の重症度で分類するものとがあります。
暑熱を感じられなかったり、冷房を適切に使用できなかったりといった事情から、室内で安静にしていても熱中症を生じることがあり得ますので、非労作性熱中症の概念も大切です。
通常、われわれは以下のような機序で、体内に溜まった熱を放散し、平熱を維持しています。
内的な方法には、皮膚をつうじて外気に熱を移す放散と、汗の気化熱を利用した気化というものがあります。いずれも血流によって熱を移動させたり、発汗させたりする方法ですので、脱水になると効率が下がります。
外的な方法には、体温よりも低い物体に熱を移す伝導、体温がある程度移行した外気を吹き飛ばす対流というものがあります。
いずれにしても、体内に充分な水分と塩分があること、外気の温度や湿度が高過ぎないことが必要です。
つまり、熱中症の予防とは、適切な水分・塩分の補給と、周囲の温度の調整(冷房の使用、暑熱環境の回避など)に集約されるということになります。参考になれば幸甚です。
それでは、また!