- 2024年7月12日
うつ病について④
渋谷神泉こころのクリニックです。
今朝も、ある路線で人身事故があったようです。
実態はどうなのかわかりませんが、こうした事故は、ほぼ飛込みによる自殺企図であるといわれることもあり、胸が痛みます。
特に、典型的なうつ病では朝に症状が増悪しやすいという日内変動パターンが知られています。そこで、飛込みの好発時間帯を調べてみたところ、以下のような記事がありました。
データは語る、鉄道飛び込みの不気味な実態:世界を「数字」で回してみよう(35) 人身事故(8/11 ページ) – EE Times Japan (itmedia.co.jp)
同記事内でまとめられたグラフも以下に引用させていただきますので、御興味をおもちの方は同記事の解説もお読みいただければと思います。
前述のとおり、朝方優位の抑うつ症状という日内変動パターンから、飛込みは朝方が多いのではないかと想像していたのですが、実際には午後8時をピークに夕方の方が多いようです。午後8時ですと、すぐに相談できる医療機関も限られますので、思い詰めた方にとっては、悲観的な視点からの結論から逃れにくく、なかなか辛い状況なのではないかと思います。当院は早朝から診療しておりますので、何とか一晩は結論を保留し、翌朝すぐに受診していただければと、切実な気持ちになるデータです。
ストレス反応にしても、うつ病の発症にしても、医療機関に御相談いただければ何らかの方針は立てられるものです。特に、いわゆる「内因性のうつ病」に関しては、抗うつ薬による治療が奏効する可能性も高いので、まずはお気軽に御相談いただければと思います。
それでは、また!