• 2024年8月5日

熱中症について④

 渋谷神泉こころのクリニックです。

 2024年8月3日(土)の朝日新聞によりますと、この7月、東京都23区内で、熱中症疑いでの死者が123人いたそうです(速報値、東京都監察医務院への取材から)。2023年の同時期からは28人増で、7月の死者が100人を超えるのは2018年以来6年ぶりとのことでした。

 死者123人のうち、121人(98%)が屋内で亡くなられており、そのうち、「エアコンはあるが未使用 」の方が79人、「エアコンなし」が28人、「エアコンを使用していた」が14人とのことでした。また、年代別でみると、40代が1人、50代が4人、60代が12人、70代が41人、80代が44人、90代以上が21人と、高齢者が多くを占めていました。

 現時点で令和6年夏分はまだ更新されておりませんが、昨年までの状況は「東京都保険医療局」の「夏の熱中症死亡者数の状況」で確認できます。

 太陽光や風力といった再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せしている賦課金、原油価格の高騰、政府による電気・ガス料金補助の終了(2024年5月分で終了。ただし、8月から再開。)などの影響から電気料金が上がっており、エアコンの使用控えの傾向もあるかと思います。

 しかし、熱中症死亡は、産業医学や公衆衛生の視点からは「予防可能な死」とされており、何としても防がなければなりません。しばらく暑さが続きそうですので、当面はエアコンの使用を忌避せず、水分や塩分もこまめに補給していただくことをお勧めします。

 ちなみに、暑さに関する表現は以下のようです。

・夏日:一日の最高気温が25℃以上の日(気象庁の予報用語)
・真夏日:一日の最高気温が30℃以上の日(気象庁の予報用語)
・猛暑日:一日の最高気温が35℃以上の日(気象庁の予報用語)
・酷暑日:猛暑日に同じ(俗称)
・熱帯夜:夜間の最低気温が25℃以上(気象庁の予報用語)
・超熱帯夜:夜間の最低気温が30℃以上(俗称)

 以下、参考までに暑さ指数と活動の目安についての関係もお示しします。

 そういえば、最近、いたるところでガス導管の交換工事を目にします。炎天暑熱下で振動機器の使用も含めた作業に当たり、地域住民のインフラを支えられている皆様には、感謝の気持ちでいっぱいです。陰ながら御無事をお祈りしております。

 それでは、また!

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