- 2024年8月23日
葦の駆除をした話
渋谷神泉こころのクリニックです。
6月頃、近所を散歩していたら、ふとしたきっかけで高齢の地域住民の方から、私道に生えた雑草について御相談いただきました。駆除を依頼されましたので、当初は大した仕事でもないと思い、ボランティアで引き受けることにしました。
しかし、その雑草というのが、調べてみると「葦」(アシ・ヨシ)というイネ科ヨシ属の多年草で、これは、地下茎で繁殖する駆除が困難な雑草のようでした。典型的には、河川や湖沼の水際に背の高い群落を形成しており、たしかに私自身も横浜の鶴見川に繁茂しているのを目にした記憶があります。
わが国の歴史や生活にも深く根付いており、大阪府枚方市の観光情報誌『ひらいろ』では、『「ヨシ」とはどんな植物?衣食住全てに活かせる日本のスーパー植物 | 大阪府枚方市の観光情報誌『ひらいろ』 (hirairo.com)「ヨシ」とはどんな植物?衣食住全てに活かせる日本のスーパー植物』として好意的に紹介されています。海外でも、例えばアンデス地方にはサンポーニャという楽器にも利用されているなど、広く活用されている植物ではあるようです。
しかし、一方では東北農業センターが「除染後水田のヨシ防除対策」にまとめているとおり、環境によってはかなり問題視されていることも事実です。
地上茎はすぐに地下茎からちぎれるため、私は地下茎を地道にスコップで掘り起こすことにしましたが、これも20~30 cmの深さで縦横無尽につながり、周囲の土ともかなり密に固着しているため、埒が明きませんでした。そこで、上述の対策を参考に、「ラウンドアップマックスロード」という除草剤を散布したところ、1~2週間程度で葉とともに根も枯れてきたのか、掘起こしが容易になりました。
以下の画像は「木のような雑草、笹のような葉、竹のような根…名前は「ヨシ」。駆除方法。」からの引用ですが、このようにして枯らした葦の地下茎を地道に駆除していきました。ちなみに、根の先端は円錐状に尖った硬い爪のようで、いかにも地下茎を張り巡らすための尖兵といった形状でした。
除草シートは敷きませんでしたが、その後、8月下旬になっても新芽は出てきていないので、おおむね駆除には成功したように思います。それにしても、0.5 m×8 m程度の範囲を掘り起こすのは思っていたよりも大変で、作業にも数日かかりました。とはいえ、無心に土を掘って汗だくになるのは良い運動にもなり、作業後に着衣のまま頭から水を浴びるのがとても爽快でした。
「休耕田に繁茂していたヨシが除草剤で絶滅したが…」というサイトでは、いったん駆除しても3年ほどで少しずつ生え始めることが報告されていますが、これは以前のものが復活したというよりも、近隣から新たに種子が飛んできたためのように思います。いずれにしても、駆除後しばらくは経過観察の必要がありそうです。
道玄坂沿いの街路樹の周囲にも一部、葦が生えているような気がしますが、花壇に覆われており、周囲の舗装も密ですので、それほど繁茂することはないでしょう。
それでは、また!