• 2024年11月18日
  • 2024年11月22日

大麻について②

 渋谷神泉こころのクリニックです。

 大麻に関しては、世界中に熱烈な愛好者がおり、中には積極的に普及を働きかける方々もいらっしゃいます。しかし、大麻に含有されるΔ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)には、幻覚や妄想、少なくとも知覚の変容や判断能力の低下を生じる作用がありますので、やはり危険であることには変わりがありません。人工合成ではない自然由来の成分なので安全という主張もありますが、致死的な猛毒であるアコニチンやテトロドトキシンも自然由来の物質です(前者はトリカブト、後者はフグに含まれます。)。

 こうした風潮の中、最近流行しているのがカンナビジオール(CBD)で、こちらも大麻由来の成分です。

 そもそも、大麻には数百の化合物が含まれていますが、この中で特に重要なのがTHCとCBDです。

 CBDはTHCの異性体ですが、THCと異なり、(作用機序は不明ですが)精神作用性の特徴をもちません。さらには、抗精神病作用(;幻覚や妄想を軽減する作用)を有する可能性すら示唆されています。こうしたことから、都市部にはCBD関連製品を販売する店舗もあるようです。

 とはいえ、CBD関連製品の性状によっては、THCが微量に残留している可能性もあるようですので、CBDの使用にも一定の注意は必要だと思います。たしかに米国ではCBDが治療薬として用いられることもありますが、承認された対象疾患は稀で重篤なてんかん(レノックス・ガストー症候群及びドラベ症候群)に限定されているので、積極的に使用しようという流れでもない印象を受けます。

 切迫した必要性がないようであれば、(THCはもちろん)CBDなどの大麻関連製品にはあまり執着されない方が、社会的なリスクを軽減できるように思います。

 最近、違法薬物に関する尿検査を依頼される方が、少数ですが当院にいらっしゃいました。検査に関しては個別に対応させていただいておりますので、お悩みの場合は一度お気軽に御相談ください。

 それでは、また!

渋谷神泉こころのクリニック
精神科・心療内科
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