統合失調症とは
統合失調症とは、周囲から圧迫されるような感覚が強まる中、次第に非難や命令などの幻聴や、監視や追跡を受けているなどの妄想を生じ、行動や生活がそれらに左右されるようになる病気です。
症状はさまざまですが、陽性症状と陰性症状とに大別されます。
陽性症状には、幻聴や妄想などの他、著しい興奮、自分の考えがまとまりにくくなる思考障害などが挙げられます。
陰性症状には、意欲の低下、感情の起伏の低下、生活範囲の縮小などが挙げられます。
その他、前駆症状として、性格の変化、不安、引きこもり、不眠などが先行することもあります。
統合失調症でよくみられる症状
- 「陽性症状」
-
- 自分の考えが他人に聞こえている・考えを読まれていると感じる
- 監視や盗聴を受けていると感じる
- 他者から非難されたり、危害を加えられたりしていると感じる
- 本や新聞に自分のことが書かれていると信じ込む
- 悪口を言われていると感じる
- 非難や命令などの声が聞こえてくると感じる
- 独り言を続けたり、誰もいない中で突然笑いだしたりする
- 話題がまとまらず、発言内容が支離滅裂になる
- 服装や衛生に気を遣わなくなる
- 極度に興奮する
- など
- 「陰性症状」
-
- 自宅にひきこもりがちになる
- 表情が乏しくなる
- アイコンタクトが減る
- 口数が少なくなる
- 会話の内容が淡白になる
- 以前は夢中になったことにも興味を示さない
- 感情の変化が乏しい
- 周囲への興味や関心がなくなる
- 人間関係に無関心になる
- 部屋が散らかったまま片付かない
- など
原因について
特定されていませんが、遺伝や素質などに関する何らかの異常が疑われています。
陽性症状の原因としては、脳内でのドーパミン機能の過剰が疑われています。ドーパミン機能を亢進させる薬物などを使用した場合にも、陽性症状に類似した状態を呈することがあります。
治療について
統合失調症の治療は、薬物療法が中心です。特に陽性症状に対して、ドーパミンの作用を減弱する作用のある「抗精神病薬」を使用します。その際、パーキンソン病症状、月経不順などの他、過剰な食欲、口渇、便秘などの副作用が出ないように用量を調整します。
統合失調症は、服薬を中断すると再発することがほとんどです。症状がなくなったから服薬をやめるのではなく、症状が再発しないように服薬を継続するという認識が必要です。とはいえ、状態が安定してくると、当初よりも少ない用量で再発を予防できることも多くみられます。そのため、ここでも定期的に副作用の有無などを評価しながら、用量や用法をより負担のないものに調整していくことが重要です。
また、服薬を継続していても、環境の変化などを契機に再発することもありますので、精神療法や環境調整の併用も重要です。
まずは一度、お気軽に御相談ください。