• 2024年5月8日
  • 2024年5月9日

岡山春紀氏の記事と疲労を抜く重要性について

 渋谷神泉こころのクリニックです。

 昨日、2024年(令和6年)5月7日(火)の朝日新聞の夕刊で、2022年の陸上100キロ世界選手権(ドイツ)で優勝した岡山春紀氏についての記事が掲載されました(写真はデジタル版から引用)。

 岡山氏は、駅伝やフルマラソン(42.195 km)では無名だったようで、学生時代は厳しい練習と過度の減量の下、怪我も繰り返していたそうです。しかし、練習量を減らし、食事制限をやめたところ、怪我がなくなり、フルマラソンでの記録が向上、ウルトラマラソン(100 km)に転向してすぐに世界トップクラスの記録を出しました。ただし、ウルトラマラソンはマイナー競技のため、世界選手権で優勝しても経済的支援は乏しいようで、海外遠征費も自腹とのことです。

 岡山氏に転向を勧めた川内優輝氏や会沢陽之介氏からは、限定された範囲での評価だけではなく、本人の特性や適性を積極的に見出そうとする姿勢の重要性を感じます。

 科学的な視点からは、ここ20年程度で、昔のような「限界まで追い込むほど良い」という考えが否定されつつあり、「いかに疲労をためないか」という考えが主流になってきており、岡山氏の練習方法の変化もそれを裏付けるものと言えるでしょう。

 筋力トレーニングについても、最近では、限界まで追い込む「筋肥大理論」よりも、疲労を抜くことが出力の増大につながるという「フィットネス-疲労理論」が主流になってきました。

 

 わが国では、社会全体が年度単位で動きますので、この時期は「五月病」の俗称のとおり、新環境への適応疲れや、それまで課題の達成に伴う長期的目標の喪失などから、抑うつ的になりがちです。

 やみくもに頑張ることも大切かもしれませんが、少し活動量を抑えて疲労を抜くという発想も必要です。

 なお、記事でも言及されたマイナー競技ゆえの経済的支援の乏しさについては、作家の佐藤優氏が「本当に好きな仕事をやりながら食えなかった人は、私の周囲には一人もいない」と述べています。

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 いずれにしても、現在の状況や課題について、本当に好きなことなのかどうか、お悩みの方が増えるこの季節ですが、疲れを抜きながらゆっくりと考えてみる時間をもうけてみると良いでしょう。

 それでは、また!

 

渋谷神泉こころのクリニック
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