- 2024年10月11日
高校生等の医療費助成制度について
渋谷神泉こころのクリニックです。
わが国での医療費は、小学生以降では原則として7割を「保険者」と呼ばれる機関が負担します。受診の際に健康保険被保険者証、通称「保険証」を提示することで、このサービスを利用でき、患者様の自己負担は3割になります。
(※)わが国の保健医療制度の概要については、「日本の医療保険制度の仕組み」(日本医師会)がわかりやすいため、こちらもお読みいただくことをお勧めします。
さらに、患者様の年齢によって、各自治体からの支援が加わることがあります。東京都内にお住まいの場合ですと、この3割の自己負担分のほぼすべてを自治体が負担する制度になっており、18歳の年度末(要するに高校卒業日)までは、自己負担額が0~200円になります(23区内にお住いの方は0円)。
(※)この自治体からの支援を受ける場合に必要なのが、医療証の提示です。受診時にはお忘れなく!
現在、東京都では、未就学児と小中学生の医療費については「自治体負担分の半分」、高校生等については2025年度までの期間限定で「全額」を助成しています。ただし、全てに所得制限があるため、御家庭によっては受診する子どもの自己負担が増えることもあり得ます。その場合、23区では、各区の自主財源で子どもの自己負担分を助成(所得制限の撤廃を実現)していますが、多摩地域と島嶼部の一部では、財源確保が困難な自治体もあります。
2024年10月現在、多摩地域の小中学生及び高校生等の受診について、自己負担と所得制限について自治体別にまとめたものが以下の表です。
さて、このたび、2024年9月20日の定例会見で、小池百合子東京都知事が、2025年10月から都内に住む子どもの医療費助成の所得制限を撤廃する方針を示しました。
上記の表から、単純に「所得制限あり」の列を「所得制限なし」の列に統合すると、以下のようになります。
この表を作成していて気が付きましたが、青梅市だけが小中学生と高校生等とで自己負担の有無が変更されますね(高校生になると自己負担が生じます。)。
本記事が、東京都の地図を眺めつつ、医療費助成制度について考える機会になれば幸いです。
それでは、また!