- 2024年7月27日
🍎 眠れる森の歯科 🍎
渋谷神泉こころのクリニックです。
精神科では、対象が明確なおそれを恐怖、対象が漠然としたおそれを不安として区別しています。この恐怖を英語でフォビア phobia と言い、さまざまな接頭辞との組合せにより特定の恐怖症を表します。
例えば、高所恐怖症 acrophobia、閉所恐怖症 claustrophobia、広場恐怖症 agoraphobia などです。
ちなみに、恐怖の逆、愛好はフィリア philia と言います。世間一般では小児性愛者 pedophilia というネガティブなワードが最も有名な気もしますが、本来、フィリアはキリスト教における「愛」の一種であり、悪い意味はありません(他の「愛」のかたちには、エロスとアガペーがあります。)。
さて、恐怖症の話に戻りますと、最近、世の中の20人に1人が歯科恐怖症であるとの記事を目にしました。歯科恐怖症は、デントフォビア dentophobia またはオドントフォビア odontophobia と言い、厳密には、前者は歯科に関連する全般的な恐怖症、後者は歯科処置恐怖症として区別されるようです。
こうした方々は、齲歯や歯周病などの治療に忌避的になり、結果的に早期治療の時機を逸しがちです。そこで、最近では麻酔下での治療を行う歯科医院が増えてきているようです。
「フォーラム渋谷神泉」の5階に6月中旬から開業された「〜眠れる森の歯科〜 Dr.Lデンタルクリニック渋谷神泉」様も、こうした麻酔下での歯科治療に積極的に取り組まれています。2階で開業した当院にも歯科恐怖症の方が数名いらっしゃいますので、先日、御挨拶と御相談がてら、どのように麻酔をするのかを教えていただきました。
一般に全身麻酔は「鎮痛」、「鎮静」、「筋弛緩」の三要素によって構成されています。
「〜眠れる森の歯科〜 Dr.Lデンタルクリニック渋谷神泉」様では、「鎮痛」はキシロカインの歯茎への注射、「鎮静」はプロポフォールとミダゾラムの静脈内投与で対応されているそうです。プロポフォールは作用時間が短く、ミダゾラムもフルマゼニルという拮抗薬があるため、治療が終わり次第、速やかに鎮静を解除できることが特徴で、要するに、治療終了直後の帰宅も可能であるということです(もちろん、休憩や回復のためのベッドも完備されています。)。「筋弛緩」に関しては、一般的な歯科治療では不要ですので、行われません(人工呼吸器などは使用しないということです。)。
注射の痛みだけで、あとは眠っている間にすべて終わっているとのことですので、歯科治療が苦手な方には心強い限りですね!
お悩みの方は、お気軽に御相談くださいとのことでした。
それでは、また!