違法薬物に関する尿検査について

　渋谷神泉こころのクリニックです。

　令和５年12月に「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」が成立し、令和６年12月12日にその一部が施行されました。これにより、大麻等の不正な使用に対しても、麻薬及び向精神薬取締法の「麻薬」として、禁止規定及び罰則（使用罪）が適用されることになりました。

　また、大麻草の茎や種子（産業用ヘンプ）由来のカンナビジオール製剤（CBDオイル等）についても、一定量を超えるテトラヒドロカンナビノールの残留（含有）がみられる場合、「麻薬」に該当することになりました。

　こうした背景からか、最近は当院でも違法薬物（特に大麻）に関する尿検査を御希望される方が散見されます。

　当院でも元々、公共性の高い業種への就職時や、医療関係の資格申請時などでの「違法薬物の慢性中毒者ではないこと」の証明で、こうした検査に個別対応しておりましたので、御心配な方はお気軽に御相談いただければと思います。

　なお、当院で検査対象としている違法薬物は、覚せい剤、大麻、コカイン、モルヒネ系麻薬（アヘン、ヘロイン）です。当院で使用するスクリーニング検査キットでは、テスト領域（T）にラインが現れない場合に陽性と判定されます（ただし、コントロール領域（C）にラインが現れない場合は、検査自体が無効になります。）。つまり、下図の例では、Δ9-テトラヒドロカンナビノールが陽性ということになります。

　ちなみに、本検査で陽性になったものの、同一検体での精密検査では陰性となり、最終的に陰性と判定された方もいらっしゃいます。このように、本検査で偽陽性となる場合もございますので、全く身に覚えのない方は、再検査や精密検査も御検討ください。

　それでは、また！