• 2024年7月30日

夏型過敏性肺炎について

 渋谷神泉こころのクリニックです。

 7月29日も全国的に気温が上がり、栃木県佐野市では 41℃ に達するなど、関東甲信地方と東海地方の6か所で 40℃ 以上が観測されたようです。また、静岡県と福井県では、熱中症の疑いでの死亡者も出たようです。

 熱中症のリスクが高い猛暑日が続く見込みですので、当分はエアコンの使用が推奨されます。

 ところで、高温多湿のこの時期は、トリコスポロン・クタネウムなどのカビ(真菌)の発生にも注意が必要です(とはいえ、30℃ を超えてくると、カビも増殖しにくくなるようですが……。)。

 特にエアコンのフィルターや浴室などでは、カビの繁殖に必要な条件が整いやすく、これらが夏型過敏性肺炎の原因にもなります。

 夏型過敏性肺炎とは、ほこりや鳥の糞、カビや細菌を反復して吸い込むことにより、その物質に対してアレルギー反応を起こし、その結果肺炎を起こすという過敏性肺炎の中のひとつです。

 夏型過敏性肺炎の主な症状は、空咳、発熱、呼吸苦です。喀痰や鼻水は出ないけれど、喉のイガイガ感から咳が続き、階段を上る時に息切れがしたり、発熱したりするといった症状が典型的です。この病気の本質は、カビに対するアレルギー反応ですので、カビの増える夏に発症し、カビの減る秋には症状が消えるという季節性の変動を示す傾向があります。とはいえ、原因となるカビがあればすぐに症状がでるわけではなく、カビを吸い込んでから 6~8時間後に発症するため、内科医でも診断に困ることも多いようです。

毎年、夏かぜをひく人はご用心 カビが引き起こす「夏型過敏性肺炎」|目指せ!健康マイスター (shaho-net.co.jp)

 まずは、カビの発生を抑えるため、以下をできる範囲で実践すると良いかと思います。
 ・台所や浴室を濡れたままにしない。
 ・寝具を定期的に乾燥させる。
 ・エアコンのフィルターを定期清掃する。
 ・洗濯槽を定期清掃する。
 ・室内を頻回に除湿する。

 それでは、また!

渋谷神泉こころのクリニック
精神科・心療内科
03-6427-0555 ホームページ