• 2024年6月11日
  • 2024年6月12日

愛着障害について①

 渋谷神泉こころのクリニックです。

 いつの時代もそうであったと思いますが、現代も世の中の変化がとても激しいと日々感じております。

 このような状況の中で、自己、他者、世界に対して、ある程度の信頼や楽観がない方は、生きていくことへの不安がそうでない方よりも強いのではないかと思います。

 こうした不安を、あることへの没入、より強い刺激、薬物などによる気分の変調などで和らげようとすると、神経症や依存症と呼ばれる状態に陥ることがあります。実際にお話をうかがうと、こうした方々の背景には、幼少期から常に気が抜けないような過酷な環境で生育された経験があることが多い印象です。

 幼少期に養育者との「安心」で「安全」な関係を構築できなかった場合、愛着障害と呼ばれる状態を呈することもあります。なお、養育者との愛着パターンは、養育者との分離と再会の際の反応様式から、以下のような分類がよく用いられています。

①安定型;養育者との分離時に不安や混乱を示すが、再会時に身体接触を求め、情動も安定する。
②回避型;養育者との分離時に不安や混乱を示さず、見知らぬ人と会っても無反応。養育者との再会時にも特別の反応を示さない。
③葛藤型;養育者との分離時に強い葛藤を示し、養育者との再会時にも強い怒りをぶつける。
④無秩序型;養育者との分離や再開に際して、無反応であったり、急に暴れだしたりするなど、反応が無秩序で一定の傾向を示さない。

 愛着障害について短くまとめることは、なかなか難しいのですが、御興味をおもちの方は岡田尊司氏の著書も参考になるかと思います。

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 それでは、また!

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