• 2024年7月8日

パーソナリティ障害について⑤

 渋谷神泉こころのクリニックです。

 クロニンジャーの理論によるパーソナリティの気質因子について、脳内伝達物質の点から眺めてみたいと思います。

 クロニンジャーの理論によると、パーソナリティのうちで遺伝的な要素である気質因子には、「新規性追求」、「損害回避」、「報酬依存」、「固執」が挙げられています。また、「新規性追求」はドーパミン、「損害回避」はセロトニン、「報酬依存」はノルアドレナリンとの関連が強いと考えられています(「固執」は発達特性によるところが強い印象です。)。

 そこで、今回は各々の神経伝達物質の作用や、その機能の強弱による影響などを下図にまとめてみました。これらの機能の強弱は、遺伝的な個人差があると考えられますから、これらの総体としてある状況でどのような行動をとりやすいのかが、個性として現れるということをある程度説明できるのではないかと思います。

 ちなみに、クロニンジャーの理論では、この気質3因子の組合せによるパーソナリティタイプの類型も提示されています。

 遺伝的な傾向ですので、無理に矯正するのではなく、あくまでも自身の個性・特性に合った生活スタイルを構築するという視点で参考にすると良いと思います。

 それでは、また!

渋谷神泉こころのクリニック
精神科・心療内科
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