• 2024年4月25日
  • 2024年4月26日

744自治体の消滅可能性と故・堺屋太一氏の表現力

 渋谷神泉こころのクリニックです。

 当院は、渋谷・神泉で早朝から診療していることもあり、出勤を控えたビジネスパーソンの方を想定して、朝日新聞と産経新聞を置いています。

 本日は、両新聞とも、若年女性の減少や少子化などを基調とする将来的な自治体の消滅可能性を報告する記事が一面トップでした。

 経済界有志や有識者らで構成された民間組織「人口戦略会議」による報告書に基づく記事で、正確な数字や具体的な自治体はともかく、こうした傾向は以前からもたびたび問題にされていました。

令和6年・地方自治体「持続可能性」分析レポート 01_report-1.pdf (hit-north.or.jp)

Amazon.co.jp: 地方消滅 – 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書) : 増田 寛也: 本

 今回の記事で特に興味を惹きつけられた点は、自治体の分類です。

 人口戦略会議の分析レポートでは、自治体を次のように分類しています。

 このうち、ブラックホール型とされた25自治体は、以下のとおりです。

(北海道)▽喜茂別町▽占冠村
(埼玉県)▽蕨市▽毛呂山町
(千葉県)▽浦安市▽酒々井町
(東京都)▽新宿区▽文京区▽台東区▽墨田区
     ▽品川区▽目黒区▽大田区▽世田谷区
     ▽渋谷区▽中野区▽杉並区▽豊島区▽北区
     ▽荒川区▽板橋区▽練馬区▽青ヶ島村
(京都府)▽京都市
(大阪府)▽大阪市

 札幌市、仙台市、名古屋市、広島市、福岡市の自治体が含まれていないのは意外でした。

 それはともかく、「ブラックホール型」と聞いて思い浮かべたのが、「団塊」の表現を生み出したことで有名な故・堺屋太一氏です。

 同氏は「歴史の使い方」という著書の中で、「江戸は超過密都市で出生率が極端に低く、地方からの流入で人口をまかなっていたブラックホールのような都市」、「今日(※)でも東京の出生率は低い」((※)平成14年頃)といった内容を述べています。

Amazon.co.jp: 歴史の使い方 : 堺屋 太一: 本

 わが国の人口動態が危機的な状況にあることを再確認するとともに、堺屋太一氏のワードセンスの良さも再認識した朝でした。

 それでは、また!

 

 

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